料理長 加藤 立美

花の小宿 重兵衛

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朝食の一例。重兵衛農園で採れた野菜がたっぷり。 大女将による郷土料理の相差なますの小鉢も用意

その日の食材に感謝し、旬を重んじる
時給自足・手作りを実践する料理人

相差に根付いた自給自足・手作りの食文化は、「重兵衛」の料理からも感じることができます。「扱う野菜は重兵衛農園でその時に採れたものが中心です。市場で仕入れるのと違い、採れるときには採れ過ぎるほどできるのも特徴で、大変なところでもあります。それでも食材を無駄にしないため、長く保存できるお漬け物に加工するなど、お客さまにおいしく召し上がっていただけるように工夫しています」と料理長の加藤さん。

肉質が柔らかく、甘みが濃厚な松阪牛をしゃぶしゃぶ で。別注料理としてステーキでも楽しめる

自然の恵みに感謝し、寄り添いながら料理する姿勢は、本来あるべき姿を見せてくれているようです。そして「例えばスーパーに並んでいる食材を見ると、便利さの一方で季節感が失われつつある気がします。けれど、農園で採れたものからは季節を感じていただけると思います」と続けます。減農薬で手間ひまかけて育てられた路地のもの野菜は、味が濃く野菜そのもののおいしさが凝縮しています。魚介類も同様に、若女将(海女)の獲ったものや地元の漁師、魚屋から仕入れるのは、献立に合わせてリクエストするのではなく、その時に水揚げされたものだけ。その素材に合わせてアレンジをして持ち味を引き出せるのは、加藤さんの長年のキャリアがあってこそ。料理に合わせて楽しみたい酒は伊勢志摩の地酒や自家製の果実酒を。特に果実酒は、宿の庭や近隣で収穫したやまもも、びわ、梅などを漬けたもので、「おいしい」、「身体に良さそう」とゲストに喜ばれているそう。地元の食材が踊る料理とともにいかがですか?

【PROFILE】三重県志摩市出身。15歳で「ホテル鳥羽小涌園」に就職して以来、日本料理一筋で研鑽を積む。20歳から4年ほどは京都・大阪で修業し、25歳の頃に鳥羽に戻り、「戸田家」、「海楽園」に勤務。「海楽園」では料理長としても活躍。その後、賢島にある「味の宿 みち潮」で10年以上料理長を務め、2013年より「重兵衛」の料理長に。「私たちが育てた食材を無駄なく、大切に扱ってくれる」と女将からの信頼もあつい。

基本情報

施設名

花の小宿 重兵衛

住所

三重県鳥羽市相差町1395 map 地図をみる

電話番号

0599-33-6220 

営業時間

※レストランのご利用は宿泊者様のみのため施設までお問い合わせください

おすすめの料理

相差や近海で水揚げされた、伊勢えびの塩焼き。
他に刺身や具足煮でも味わうことができる

素材を活かすため、あえてシンプルに仕上げる地元で獲れた伊勢えびを丸ごと一尾塩焼きに

毎年秋から春に旬を迎え、漁が解禁される三重県の伊勢えび。伊勢志摩周辺の海は伊勢えびのエサが豊かなためか、「殻の硬さから違います」と加藤さん。伊勢えび本来の甘みや食感を存分に味わえるように大ぶりなものを厳選し、その旨みを逃さないように包丁を入れることなく焼台へ。「かぶりついて召し上がっていただくのが産地ならではの醍醐味だと思い、細かく切り分けることなく提供しています」。伊勢えびの身をミソと一緒に食べるも良し、ミソをアテに酒を嗜むのも乙なもの。 鮑やサザエ、ナマコ、ワカメなど海女でもある若女将が獲った海産物をいただけるのも同宿の特徴。海女という仕事に思いを馳せつつ、海の恵みをありがたく味わいたいところです。

アクセス

公共交通機関

【電車でお越しの場合】 近鉄「鳥羽駅」より徒歩約4分、「鳥羽バスセンター」 かもめバス5鳥羽〜国崎線で約40分、相差バス停(石神さん前) 下車、徒歩約5分

車でお越しの方

第二伊勢道路「鳥羽南・白木IC」より約20分