樋口 宏江 / フレンチレストラン「ラ・メール」

志摩観光ホテル ザ ベイスイート

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樋口宏江さんがシェフを務める「ラ・メール」は、
2019年にミシュラン一つ星評価を獲得した

地元食材の探求と生産者への敬意から生まれる、新しいフランス料理の形

樋口宏江さんが料理の道を志したきっかけは、幼少期に母親の料理やお菓子づくりを手伝った体験にあります。小学生の頃には、クッキーやスポンジケーキ、シュークリームなどを自らつくり、次第に家族や友人へ「ふるまう喜び」が芽生えたと言います。

伊勢まだいの養殖場を訪問したときの様子。
シェフ自ら生産者の元へ足を運ぶことも多い

調理専門学校を卒業し、就職先として選んだのが出身地でもある三重の「志摩観光ホテル」。当時の総料理長は、現在の志摩観光ホテルの代名詞ともいえる「海の幸フランス料理」を提唱した故・高橋忠之シェフでした。技術力はもちろんのこと、「唯一無二の味をつくる」という信念が、第7代総料理長となった樋口さんにも脈々と受け継がれています。「ラ・メール」の魅力は、三重県でしか味わえない食材を活かし、多彩なアプローチでつくりだす独創的なフランス料理。「三重県には鮑や伊勢海老、松阪牛といった高級食材に限らず、まだ知られていない地元の素晴らしい食材もたくさんあります」と語る樋口さんは、自ら生産者の元へ足を運び、意欲的に新しい食材を取り入れています。

たとえば尾鷲や紀伊長島で獲れるガスエビは、足が早く県外にはほとんど流通しない貴重な食材。他にも魚や原木シイタケ、柑橘、トマトなども三重県産のものを使っています。そして、一つひとつの食材の魅力を深堀りしたさまざまなメニューも「ラ・メール」ならではの魅力。
鮑ならステーキや低温調理、熊野地鶏は部位ごとにレバーペースト、コンフィ、つくね、コンソメスープ、前菜ならトマトをムースやゼリー、シャーベットという風に、一皿でいくつもの美味しさと出会えるのです。「生産者さんの想いを受け継ぎ、私たち料理人の手で最大限に魅力を引き出したい」生産者へのリスペクトと食材に対する深い理解から生まれる樋口流フレンチには、新しい食の発見がたくさん詰まっています。


【PROFILE】三重県出身。1991年「志摩観光ホテル」に入社。2008年には「志摩観光ホテル ザ ベイスイート」の開業と同時に「ラ・メール」のシェフに就任。2014年には志摩観光ホテル内のすべてのレストランを統括する総料理長に就任。2016年に開催された「G7伊勢志摩サミット」でワーキングディナーを担当した。2017年農林水産省料理人顕彰制度「料理マスターズ」にて三重県初の「ブロンズ賞」を受賞。2023年フランス農事功労章「シュヴァリエ」受章。

基本情報

施設名

志摩観光ホテル ザ ベイスイート

住所

三重県志摩市阿児町神明731 map 地図をみる

電話番号

0599-43-2111

営業時間

【フレンチレストラン「ラ・メール」】

朝食 07:00~10:00(L.O.09:30)

ランチ 11:30~14:30(13:00までのご入店)※貸切のみ

ディナー 17:30~21:00(L.O.19:30)

※15名様より貸切でランチのご予約を承ります。

【和食「浜木綿」】

朝食 07:00~10:00(L.O.09:30)

ランチ  11:30~13:30(L.O.13:00)※2日前20:00までの完全予約制(4名様より)です。

ディナー 17:30~21:00(L.O.19:30)

定休日

無休

その他・備考

ザ クラシック、ザベイスイートどちらに宿泊しても、すべてのレストランが利用可能(ザ ベイスイート内レストランは
小学生以上) ディナー時はドレスコード(スマートカジュアル)あり

おすすめの料理

三重県を代表する食材、鮑を使った一皿。
低温調理とステーキ、それぞれ違いを楽しめる

王道と独創的な調理法。鮑の魅力を追求した2つのアプローチにより、多彩な表情を楽しめる一皿

フレンチレストラン「ラ・メール」

三重県の代表的な食材である鮑。「ラ・メール」ではホテル伝統の調理法に加えて、樋口シェフ考案の独創的なアプローチで鮑の新しい魅力を引き出します。たとえば低温調理は、磯の香りと独特の食感が楽しめる一品。殻付きのまま60℃未満の低温で2時間ほど火を入れた後、肝と殻をはずし、鮑の煮汁と焦しバターを使った軽い仕立てのエスプーマを添えます。ステーキは、長年愛され続けてきた伝統的なスタイルで。大根、塩と一緒に3時間炊いた鮑に小麦粉をつけて焼き上げます(鮑は主に夏のメインメニュー、夏以外の提供も可能)。メニューは2か月ごとに入れ替わり、季節の食材をメインとして提案しています。

美しい椀でいただく吸物は、季節ごとの三重の食材を用いる
写真は鮑とかぶらの吸物)

三重の旬を目と舌で感じる「吸物」という小世界。出汁へのこだわりが、ひと口目の感動を生み出す。

和食「浜木綿」

コース料理の序盤に提供される吸物は、塚原和食総料理長のシグネチャーとも言える一品。「良質な食材をどれだけ揃えても、食材に見合う出汁を使わなければ本当の和食の美味しさは生み出せない」と語ります。出汁は食材に合わせて4種類ほどの素材を使い分け、食材は季節に応じて食材を厳選しています。春は伊勢まだいや蛤、夏は鮑や鱧、秋は松茸の土瓶蒸しや松阪で獲れる原木シイタケを使った吸物、冬は鰆や伊勢海老の頭を使うなど、季節の素材の魅力を提供しています。三重の景色などが描かれた美しい漆椀も魅力的です。

アクセス

公共交通機関

【電車でお越しの場合】 近鉄「賢島駅」送迎車約3分(要予約)

車でお越しの方

【東京方面から】 伊勢西IC -伊勢二見鳥羽ライン〜第二伊勢道路〜鳥羽南・白木IC〜国道167号(賢島方面)