名人の技を継ぐ天ぷら店
東京・神楽坂にある『御座敷天婦羅天孝』は、「懐紙に一点の染みも残さない」と謳われ、名人の誉れが高かった猿楽町「天政」の初代に仕え、修業した。大きな海老をふんわりとした衣で揚げるのが特徴で、東京でも老舗として知られる。その「天孝」で修業。暖簾分けを許されたのが多気町「VISON」にある「天ぷら 天孝 伊勢の国」である。
使われるのはほとんど三重の食材
店は食のアミューズメントパーク「VISON」の隅っこにひっそりとたたずむ。地図を片手でも通り過ぎてしまうほどである。中にはいると9席のカウンターと個室のみ。やはり天ぷらはカウンターが一番のVIP席だ。使われるのはほとんど三重の食材。地の刺身が供されたあとは、海老、インゲン、安納芋、ハモとブロッコリー、穴子、レンコン、椎茸、人参と出される。どれも揚げ具合がほどよく、天ぷらの美味を味わった。
最後は天バラがおすすめ
最後は天バラか天丼、天ぷらごはんを選ぶが、ここは天バラがいい。天バラはかき揚げをばらばらにしてごはんと和えた炒飯風の食べ方だが、天政の初代が発明したと言われるからだ。最近はどの天ぷら屋でも出されるが、やはり系列店で味わうのが一番だろう。