一瞬一瞬がおもてなし
ミシュランガイドで2つ星に輝く、三重県の日本料理店の代表格が「割烹 西むら」である。京都のミシュラン3つ星日本料理店『未在』で修業した主人の西村雅也さんが作る喰い切り割烹で、名古屋や関西、東京から訪れる常連も多い。喰い切り割烹とは、客が一皿一皿を食べ切るごとに次の料理を提供する会席料理。「温かいものは温かいうちに、冷たいものは冷たいうちに」が基本となるだけに調理場は大変だが、西村さんは「料理だけでなく、お客の入店で店の引き戸が開いた瞬間からお客を見送って引き戸を閉めるまで、一瞬一瞬がおもてなしの思いで接遇している」とのこと。しかも食材は、海の幸、山の幸に恵まれた三重県の食材を中心に、東海地方の旨いものが並ぶから鬼に金棒。
客のスピードに合わせた料理
店は近鉄四日市駅からすぐ。日本家屋の一軒家をあけると大きなカウンターが圧巻。最近の都内の日本料理店は一斉スタートが多く、弁当を食べているような気になることもあるが、こちらは有名店にもかかわらず、客のスピードに合わせてくれる。使われる食材はまさに地のものがほとんど。それを華麗に料理に仕立てる。こんな素晴らしい店が地方にあるというだけで一週間前でも予約が取れてしまうというのがうれしい。