的矢かきテラス

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無菌浄化システムによる「清浄減菌カキ」を開発した会社

私は幸いにしてまだ当たったことがないが、生牡蠣に当たると本当につらい。通常、生牡蠣は約3万個の菌を持つといわれ、それをいかにして減らして生食を可能にするかが牡蠣業者の腕の見せようというわけだ。
大正14年に創業した三重県の的矢牡蠣のパイオニア「佐藤養殖場」では、初代の佐藤忠勇さんが、体内の汚物を自ら吐き出すカキの性質を利用した無菌浄化システムによる「清浄減菌カキ」を開発したことで知られる。紫外線で殺菌した特殊な海水シャワーを牡蠣に約20時間浴びせることにより、牡蠣が自ら飲み込んだ雑菌を吐き出し、生食できるまで浄化するというわけだ。もともとプランクトンが豊富な志摩の海で育っただけに、身はふっくらと太った牡蠣が生食で食べられるのだから、こんなありがたいことはない。

生牡蠣には「がりポン酢」を

そんな話を濱地大規社長から聞き、事前予習をしてから「的矢かきテラス」に乗り込んだ。こちらは佐藤養殖場に隣接するレストランで、コロナ真最中の2022年に出来た。海の中に建設されているから船のように揺られながら食事をするのだが、おだやかな的矢湾だから気にならず、楽しい。もちろん的矢牡蠣を使った各種料理が食べられる。どうしても牡蠣が食べられない人用に海老フライなどもあるが、まあ、せっかく来たんだから的矢牡蠣を堪能するのが一番だ。
まずは、なんといっても生牡蠣を楽しみたい。そのままでも旨いし、レモンを絞るのも定番だが、実は「がりポン酢」という、みじん切りにしたがりをポン酢に漬けたオリジナルがあり、これが的矢牡蠣にとても合う。ひとり5個は楽勝で食べられるから、いろいろな食べ方を味わってほしい。

一番気に入ったのは塩辛

実は私は牡蠣グラタンが好きで、せっかくなので「トマト&バジルの香草焼き・わさびソース焼き・牡蠣グラタン」の3種盛り、そして社長のおすすめで塩辛を頼んだ。牡蠣グラタンは安定の旨さだったが、一番気に入ったのが塩辛。これがいくらでも食べられる味で、作や半蔵といった三重の地酒の進むことといったらない。最後はカキフライと牡蠣の炊き込みご飯で、牡蠣三昧を味わった。
牡蠣と言えば最近は広島や三陸の名が挙がるが、的矢の佐藤養殖場といったら昭和の時代からのナショナルブランド。この「的矢かきテラス」で食べる牡蠣は一味も二味も違う満足感だった。

基本情報

施設名

的矢かきテラス

住所

三重県志摩市磯部町的矢889 map 地図をみる

電話番号

0599-57-2612

営業時間

10:00〜15:00 (ラストオーダー14:30)