フランス料理 ル・バンボッシュ
気持ちにゆとりをもって仕事に取り組みたいと思い三重で開業
伊勢志摩地域
清流、宮川のほとりにあるフレンチレストラン「ル・バンボッシュ」は開業から今年で20年、地元の人たちに愛されています。「年に3、4回は、カップルがプロポーズの舞台に使ってくださいます。お客様のご家族、きょうだいが増えていく場面に出会えるのもうれしいです」とオーナーシェフの福井隆一さんは微笑みます。
フランス、東京と美食の集まる地で経験を積んできましたが、「当時、築地市場で伊勢産の食材が並んでいるのを目にして、足元にあった三重の食材へのリスペクトを感じました。気持ちにゆとりをもって仕事に取り組みたい、と思い三重で開業しましたが、うまく花を咲かせることができたなと感じています」。
野菜も魚介類も、季節とともに移り変わる旬の勢いを大事に、地産地消を心掛けます。「開業した頃、東京では1個800円する珍しい野菜を10個500円で売っている農家さんがいたのですが、『誰も買ってくれないから』と翌年から作らなくなってしまったことがありました。そのとき、自分は『これは価値あるものだから1個800円で買います』と根を付けるべきだった、と後悔しました。食材の価値を認め、生産してくださる農家に還元すること、そしてお客さんに味わっていただくこと、全てはバトンだと捉えています」と福井さん。
また、地元のお客様にとっての地産地消は「いつも食べているもの」であることも多いことを考え、「情報番組で話題になったイベリコ豚、北海道でとれた白子のムニエルなど、目新しい食材もとりいれ、食の楽しみをお伝えしていきたいと思っています」。
【PROFILE】伊勢市生まれ。大阪「ビストロ・ダ・アンジュ」で修行後、1999年に渡仏。2002年までフランスの一ツ星、二ツ星、三ツ星レストランで修行を重ね、フランスで最後に勤めたレストラン「ル・マクサンス」でスゴンドキュイジーヌ(副料理長で実質のシェフ)になる。帰国し、東京・半蔵門「村上開新堂レストラン」でシェフを務め、2004年に独立開業する。
施設名 |
フランス料理 ル・バンボッシュ |
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住所 |
三重県伊勢市辻久留2丁目10−3 map 地図をみる |
電話番号 |
0596-26-1040 |
営業時間 |
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フランス料理 ル・バンボッシュ
イチボ肉を使用した「松阪牛のステーキ」は、「サシと赤身のバランスが良く、気に入ってよく使います」。ステーキに添えるソースは、オレンジの果肉をすりおろして搾り、煮詰めたものにフォンドボー、ポルト酒やマデラ酒を加えて煮詰めた甘じょっぱいものにマッシュルームで作ったクリームソースをかけて濃厚さを表現。「冬は濃厚さを出す一方、夏はクリームソースはつけずに柑橘のソースで爽やかに味わっていただきます」。
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