料理長 中上 貞明 / 露庵温味

AQUAIGNIS (アクアイグニス)

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初夏になると献立に加わる「鱧の炙り」。
奇をてらわない実直な料理は中上料理長の魅力

自らの目利きで地元の食材を厳選
季節を映す表現力豊かな料理

「笠庵 賛否両論」の奥にある扉を開くと、 9 席のカウンター割烹「露庵温味(ろあんあたたかみ)」があります。宿泊施設や温泉もある「アクアイグニス」内のレストランであり、寛いだ気分のゲストのニーズに寄り添い、ゆったりと過ごせる空間づくりをしています。
扱う食材は地産地消が基本。「お隣の愛知県からお越しのお客さまからも『三重のものを食べたい』というリクエストをいただくことが多いので、極力、地元のものを使いたいと思っています」と料理長の中上貞明さん。

土鍋ご飯の一例。ランチ、ディナーともにコース料 が基本だが、リクエストにも対応してくれる

そのため、自身の通勤途中にファーマーズマーケットに立ち寄って採れたての旬野菜を仕入れることも多いそう。さらに、取り引きしている熊野市の魚屋とはSNSを活用して競りの前に水揚げ状況を把握、地方にはなかなか出回らないものも押さえているそう。「伊勢海老や鮑をはじめ、ハタやクエなどの高級魚のほか傷みやすいことから地方には出ないガス海老やオニ海老など、三重ならではの珍しい魚介類も提供しています」。こうした仕入れ努力のすえに組み立てられる月替りの献立には季節の風物詩のような食材が並ぶため、「◯◯が食べたいから、次はこの時期に来ます」「この季節にはどんな食材がありますか?」など、季節の移ろいに合わせて再訪を検討するゲストが少なくないそう。コースのシメに登場する土鍋ご飯に至るまで抜かりはなく、日本の原風景とも言える棚田が残る伊賀の米を伊賀焼きの土鍋で炊き上げて提供しています。随所に三重らしさと季節感を散りばめた日本料理ならではの滋味深い料理は、心まで満たしてくれるようです。

【PROFILE】奈良県出身。中学校卒業後、和歌山県にある「ホテル浦島」に就職。2年で退職して、大阪、兵庫、三重などで働き、その縁から1991年にオーストラリアへ渡り、現地のレストランで腕を振るう。帰国後は、奈良や四日市の和食店、寿司店に勤務。その後、「アクアイグニス」の立ち上げから携わり、「露庵温味」の料理長として活躍中。

基本情報

施設名

AQUAIGNIS (アクアイグニス)

住所

三重県三重郡菰野町菰野4800-1 map 地図をみる

電話番号

059-394-7733(代表)

営業時間

【サーラ ビアンキ アル・ケッチァーノ】

11:00~15:00 (LO 13:30)
18:00~22:00 (LO 20:00)

【笠庵 賛否両論】

7:30~9:30 (LO 9:00)
11:00~15:00 (LO 14:30)
17:00~21:00 (LO 20:30)

【露庵温味】

11:00~15:00 (LO 14:00)
18:30 ~ ※ご予約制

定休日

サーラ ビアンキ アル・ケッチァーノ / 笠庵 賛否両論 無休
露庵温味 月曜終日定休・火曜ランチ定休

おすすめの料理

ディナーは3つのコースを用意(写真は一例)。
アミューズからドルチェまで7〜8品

奥田政行シェフ監修の季節替わりのディナーコース動物性食材と植物性食材の組み合わせの妙を楽しむ

サーラ ビアンキ アル・ケッチァーノ

「サーラ ビアンキ アル・ケッチァーノ」はコース料理を主体とするレストランで、旬の食材を使用した季節替わりのメニューを用意しています。「奥田シェフの考えもあり、肉や魚など動物性の食材に植物性の食材をどう合わせるかを考えて一皿に仕上げています。例えば、鹿肉が持つ独特の酸味は春菊と相性がよく、それをお客さまに口内調理して召し上がっていただく一皿は、当店ならではの料理だと思います」と料理長の鈴木伸矢さん。独自の料理哲学をもとに、食材の特徴を見極めてオリジナリティの光る料理を提供しています。 鈴木料理長は「イル・ケッチァーノ ミエーレ」の統括料理長でもあり、同店ではピザやパスタなどシェアして楽しめるカジュアルなメニューも提供しています。

看板料理のひとつ「ポテトクリームコロッケ」。
ソースを付けず、まずはそのまま味わいたい

マスターの笠原将弘さんが父親から受け継いだレシピ口当たりが優しいポテトクリームコロッケ

笠庵 賛否両論

マスターの笠原さんの強いこだわりでメニューに上がっているという「ポテトクリームコロッケ」。「マスターのお父さまが考えられたレシピで、通年で提供しているのは『笠庵 賛否両論』だけと聞いています」と料理長の二川原貴也さん。具材は、ジャガイモ、鶏ミンチ、玉ねぎ、ホワイトソースというシンプルな組み合わせで、ポテトコロッケとクリームコロッケの中間のような絶妙な食感が特徴です。 コロナ禍で外出を制限された時期に「ご自宅で召し上がっていただく方法はないか」と冷凍のお取り寄せ商品を開発、オンラインショップから購入することができます。

鱧を使った椀物の一例。
コースの献立は月替り、四季折々の椀物をいただくことができる

みずみずしい香りまで閉じ込めた日本料理の花形丁寧かつ贅沢にひいた出汁で仕上げた椀物

露庵温味

日本料理のメインと言われることもある椀物は、多くの料理人が最もこだわる料理のひとつ。「出汁を大事にしています」と料理長の中上貞明さんも言い、厳選した昆布と鰹節を使用しています。昆布は福井の「奥井海生堂」が扱う天然の利尻昆布。国内はもちろん、近年ではヨーロッパなどでも評価の高い逸品です。鰹節は九州・枕崎のもので、“雄節”と呼ばれる背側のもの。脂が少ないため、えぐみや臭みが少なくスッキリとした出汁が取れるのが特徴だそう。そこに、柚子や山椒など季節の香りとともに旬の食材を使用した椀種が加わり、上品で味わい深い椀物が完成します。

アクセス

公共交通機関

【電車でお越しの場合】 近鉄湯の山線「湯の山温泉駅」より徒歩 8分

車でお越しの方

東名阪道「四日市IC」より約15分
新名神高速「菰野IC」より約5分