料理長 北村 光吉 / 和食レストラン もんど岬

またキッチンカウンターには三重県四日市の伝統的な焼き物・萬古焼のタイルや、カウンターの天板には樹齢約300年の伊勢桧の一枚板を使うなど、設えからも三重の魅力を感じることができる仕様です。北村料理長は「料理を召し上がっていただくだけでなく、ここでの体験も楽しんでいただきたいです」と言い、五感で味わう新しいスタイルの和食を目指しています。
食材の仕入れにも独自のこだわりがあります。料理人自らが市場のある答志島へ船で渡るために船舶免許を取得、さらにホテルで競りに参加する権利を持っていて、独自の目利きで食材を吟味しているのです。「伊勢海老や鮑はもちろん、年配の方にも好評のタコや、海流に恵まれて一年中おいしい鯛やスズキなど、料理人の目で食材を厳選しています。

自分たちが納得して仕入れた食材を使っているので、お客さまに自信を持って提供できます」と北村料理長。また、熊野の美熊野（みくまの）牛、多気（たき）のエリンギなど、気になる食材を見つけると生産者のもとを訪れ、試食した後に定番食材として仕入れているものも多いとか。ホテルという大きな組織の中にあるレストランでありながら、このような柔軟で意欲的な取り組みがゲストの満足感に繋がっているのでしょう。そして、「地元の食材を使った料理には、伊勢志摩サミットで有名になった『作』や『而今』など地酒を合わせて、三重の食を存分に楽しんでいただきたい」と、三重ならではの体験をすすめてくれました。

【PROFILE】三重県志摩市出身。民宿を営む両親のもとで育ち、調理師を目指す。1982年に「鳥羽国際ホテル」に入社。当時、同ホテルの別館として営業していた「潮路亭」、海上レストラン、「和食レストラン もんど岬」で経験を積んだ後、「潮路亭」の副料理長に。その後、「和食レストラン もんど岬」の副料理長を務め、2019年4月からは料理長として厨房の指揮を執っている。